楽器を弾く人にとって音楽の聴き方は聴きたい音一点だけに焦点を合わせて聴くのが良い。
音楽を聴くときの態度が楽器上達に大きく影響してくる。
例えば普段音楽を聴くときは耳に入ってきた音を聴いてそれに対して良い悪いを判断している。
もちろん楽器を弾かない人にとってはスピーカーから流れてくる音に耳を傾けていればそれで良い。
だが楽器を上達させるにはCDなどの音源から自分の楽器のパートを抜き出して聴いたり、ベースや他の楽器がどのように動いているのかも聴き取る必要がある。
一つだけに焦点を絞って聴くことができると余計な情報がシャットダウンされるので集中力も増し、目的達成に大きく近づけるようになる。
ところが問題は単純ではない。
人間は常に放っておくとどう言うわけか受け身になってしまう。
標準設定が受け身なのだ。
自分の持っている駒を進めたいと思ったときは自分でエンジンにスイッチを入れると言う作業が必要になってくる。
生で他人の演奏を聴くときでも同じことが言える。
上手い人の演奏を観て「上手いなぁ」と漠然と聴いていてはいけない。
歌手が歌っている光景を観て「すごいなー」ではいけないのである。
歌手のどの部分に焦点を絞って見るかが重要なのだ。
・どのタイミングで息継ぎをしているのか
・口をどのように動かしているのか
など
人間は目的がないとどうもぼんやりと雰囲気の中でやり過ごしてしまう。
歩いているときなどもそうだ。
自分が歩いているときによくよく気がついて見て欲しい。
目の前の風景をぼんやりと見て歩いていることに。
何かにグッと焦点を絞って歩くとその目標物にしか焦点がわずにぶつかってしまうことになるのでそこは気をつけていただきたい。
これを踏まえ楽器が上手くなるためには目的を絞ってことに当たると言うことが非常に重要なのである。
重要なことはもう目の前に全て存在している。
Acousphere Guitar School 講師 黒崎 晶一